北米大学の遠隔教育との連携

(Collaborating with North American Tertiary Distance Education)

スティーブ・マッカーティ

(by Steve McCarty)

香川短期大学教授

World Association for Online Education

(WAOE) President(1998-2001年)

世界オンライン教育学会会長

平成10年度情報処理教育研究集会 (eip98)

主催:文部省・九州工業大学

特別分科会:遠隔授業・セミナー(平成10年10月24日)

Annual Research Meeting, Education of Information Processing, Kyushu Institute of Technology, 24 0ctober 1998 Presentation

このプレゼンテーションの大部分がOHP上とそのディスカッションとなる。遠隔教育は既に大きな関心を集める分野になったので、ぜひ先生方の質問やコメントを聞きたいと思う。我々自身のネットワーキングのために、参考文献の後に、連絡先等の情報を加えている。

オンライン教育の必要性

オンライン(インターネット上の)教育は、教員の指導のもとで、コンピュータ室で行われる形が望ましい。授業時間内外で、ネットワークを利用して、世界中の文献を研究したり、文化の異なる人々とコミュニケーションを行うことも、ある意味での遠隔教育であると思われる。北米やオーストラリアと比較してみると、日本では、地理的に大学に通うことは難しく、 なおかつ、インターネットにアクセスできる日本人は少ない。従って、この面で、日本におけるオンライン化の必要性は、これらの国々より、少ないと思われる。しかしながら、近年、生涯教育の必要性が認められており、インターネットを使った学習が盛んになる可能性はきわめて高い。それに加え、将来的には、企業の仕事の環境もオンライン化されることが予測される。予算やトレーニングの問題点はあるが、全国の教育的機関や図書館のオンライン化を急がないと、欧米に遅れをとる恐れがある。

コンピュータがコミュニケーションの手段になりつつあるので、情報処理教育が国の国際化にも貢献できると考えられる。世界中のコンピュータがインターネットに直接、または間接的に接続される傾向にあり、この結果、民間の国際交流も加速されている。特に教育者同士のネットワーキングは、世界的なリーダーシップになる可能性があると思う。

北米大学の遠隔教育の状態

多くの北米の大学の授業は、ある程度オンライン化されている。その方法はウェッブ・ページや電子メールの交換である。かなり多くの教授から反発があったが、UCLA の授業のすべてがオンライン化された。何百もの授業を完全にインターネットで提供する大学や短大もある。教育機関が公に認定されている場合 (accredited)、その機関のオンライン・コースの単位も認定される傾向があるようである。オンライン教育の経験が長いニュージャージー工大では、キャンパス内外の生徒に同じコースを受講させ、平等の扱いをしている [1]。

新しい建物よりバーチュアル大学全体のほうがかかる費用が安いので、大学の行政官達は、まだ効果が分からないオンライン・コースの設立を流行のように急いでいる。さまざまな問題点が残っていても、空間と時間を乗り越える遠隔教育は魅力的であり、このブームとその関連のインターネットの研究が圧倒的に拡大する傾向がある。

問題点の一つとして、遠隔教育のテクノロジーがまだ未熟なのに、行政官や教員が猛勉強しなければならない点が上げられる [2] 。また、コンピュータのサポート・スタッフも必要であるけれど、米国でも、教員のテクニカル・サポートが「危機」と呼ばれている不足の状態である [3]。

施設、生徒、教師それぞれが世界のどこにいてもよいという将来は望ましいが、問題点もある。例えば、コンピュータの会社が大学と協定し、社員が授業を担当しているケースがある。マルチメディアによるレンタル授業も既に存在している。

米国やカナダでは、教員の長い時間で作ったウェッブサイトなどの電子的著作が上司に奪われたケースもでてきている。ハワイ大学の契約の様に、教員や立場の弱い非常勤講師の作った電子的教材が、教育者のものか [4]、ソフトに投資した大学のものか、交渉の結果で、両方のものか [5]。電子的教材がある教育者と分けられるものとして見做されたら、教員のいない貧困な教育が見えてくる。

ちなみに、以前の会社内の社員研修部の多く「大学」という名称を使うようになった "corporate universities" という。例えば、ボストンでは、会社のある部署が Arthur D. Little University となっている。その他にも、多くの大学とハイテクの会社が協定をしていることも考えてみると、教育は市場として見なされる傾向があるので、特に教養の教育が脅かされている。

極端なケースであるが、雑誌などで広告を出している学位を売る "diploma mills" が外国人とアメリカ人とその雇い主を騙している [6] 。簡単に卒業できる大学の通信部も、インターネットで手に入る。あるロスの犬が12の博士号を持つ宣教師である [7]。日本の ... ac.jp (academic organization) のようなアドレスと違い、米国の .edu という「大学」の中、一部屋の事務所でも、自由に ... .edu となっている [8]。名門の大学によく似ている名称が多い。広告によれば、"accredited" というが、自分達が作った認定の機関で認定されている。

将来を向け、教員の立場は次にように描写されている:

It is in the interest of college faculty to participate in shaping the world of on-line education. Present difficulties will be solved as university structures and hardware infrastructures evolve. The same technology that serves students at a distance also permits faculty to work where they can be most productive, not on the traditional campus. Change is coming whether faculty like it or not. If we are not involved in shaping it, others will do it for us [9].

教員達が遠隔教育の発達に活躍しないと、カリキュラムの権利、著作権、アカデミックな自由などが奪われる恐れがある。教育関係者が組織的に詳しい情報を交換し、インターネットの裏側を避け、教育に有益なところを導入すればよいと思われる。

ディスカッション

特別分科会の参加者との Q&A

日本におけるオンライン教育の状態と将来

国内外のメーリングリスト

オンライン教育に関するウェッブサイト

遠隔授業の教授法

カナダのブリティッシュコロンビア大学で発明された WebCT [10] の紹介 (OHP)

オンライン・コンフェレンス (OHP)

ハワイ大学付属カピオラニ短大に拠点されている 1996, 1997, 1998 年度の Teaching in the Community Colleges Online Conference は、最古最大位のインターネット上のアカデミックな大会である。テーマは、インターネット上の授業の傾向と問題点であり、大学のレベルも含んでいる。

1998年4月7日の基調講演「ボランティア精神のオンライン教育と日本の将来像」の中では、スティーブ・マッカーティが、教育者のための世界オンライン教育学会の設立を提供し、一致した三十数人が実行委員会を結成した。

World Association for Online Education (WAOE) の紹介 (OHP)

("WAOE" は「ワオウィー!」の様に発音する)

WAOE のインターネットのドメイン:

<http://www.waoe.org/>

WAOE の電子ジャーナル (ニューヨーク大学)

<http://www.nyu.edu/classes/keefer/waoe/waoej.html>

米国カリフォルニア州で登録されている奉仕活動をする教育的非利益団体 (NPO) である。

使命は、インターネットを導入している世界の教育者をインターネット上で組織し、オンライン教育をしっかりしたアカデミックな新分野に発達し、オンライン教材やコースの質を確認し、オンライン教育の情報を世界の教育関係者に与えるのである。

多文化・多言語の概念で、日本語による、海外の日本語の利用者も参加するはずの世界オンライン教育学会 (WAOE) の日本支部も可能とする。そういうふうに、言語の不自由のもっとも少ない形で、北米大学などの遠隔教育との連携ができるようになると思われる。

WAOE に関するディスカッション

Q&A、案共同研究などの案

WAOE のメンバーシップ(無料)

WAOE 日本支部の要求

参考文献

1. Turoff, M. (1998). "Alternative Futures for Distance Learning: The Force and the Darkside." New Jersey Institute of Technology [WWW document]. URL http://eies.njit.edu/~turoff/Papers/darkaln.html

2. Klingenstein, K. (1998). "The Technical Realities of Virtual Learning: An Overview for the Non-Technologist." CAUSE/EFFECT, vol. 21, no. 1, 1998, pp. 24-27, 32-34, 47 [WWW version]. URL http://www.cause.org/information-resources/ir-library/html/cem9815.html

3. McClure, P., Smith, J. & Sitko, T. (1997). The Crisis in Information Technology Support: Has our Current Model reached its Limit? CAUSE Professional Paper #16 [WWW document]. URL http://www.cause.org/information-resources/ir-library/abstracts/pub3016.html

4. American Association of University Professors, Subcommittee on Distance Learning (1997). "Report on Distance Learning" [WWW document]. URL http://www.aaup.org/dlreport.htm

5. Guernsey, L. & Young, J. (1998). "Professors and Universities Anticipate Disputes Over the Earnings From Distance Learning." The Chronicle of Higher Education [WWW document]. URL http://chronicle.com/colloquy/98/ownership/background.shtml

6. Guernsey, L. & Young, J. (1997). "Is the Internet Becoming a Bonanza for Diploma Mills?" The Chronicle of Higher Education: Information Technology [WWW document]. URL http://www.chronicle.com/data/articles.dir/art-44.dir/issue-17.dir/17a02201.htm

7. Bale, E. (1998). "So Your Dog Has a Ph.D.: Diploma Mills and Accreditation Policy in Ontario." The NODE: Networking [WWW document]. URL http://node.on.ca/networking/january1998/feature1.html

8. Young, J. (1998). "Academic-Technology Group Offers to Oversee '.edu' Domain on Internet." The Chronicle of Higher Education: Daily News [WWW document]. URL http://www.chronicle.com/data/news.dir/dailarch.dir/9801.dir/98010801.htm

9. Eisenberg, D. (1998). "College Faculty and Distance Education." Virtual University Journal: Technology aided learning [WWW document]. URL http://www.mcb.co.uk/services/conferen/may98/vuj/background_paper.htm

10. Krochmal, M. (1998). "Online Courses Lead For-Profit Learning Trend." TechWeb: Technology News [WWW document]. URL http://www.techweb.com/wire/story/TWB19980701S0008

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当日(10年10月24日)渡したプリント:

遠隔教育関係のインターネット参考資料

「北米大学の遠隔教育との連携」の拡大したハイパーテキスト・バージョン [当ページ]:

http://www.kagawa-jc.ac.jp/~steve_mc/kyutech-speech.html

当日OHCで見せる予定の主なウェッブサイトのURL

メディア教育開発センター

http://www.nime.ac.jp/

東大病院の木内先生が先日アマゾンの Global Lecture Hall で発表した、遠隔講義に応用できる衛星によるデジタル・ハイビジョン・コミュニケーション・システム

http://square.umin.ac.jp/kiuchi/ohp/

Utsumi 先生 <utsumi@columbia.edu> のインターネット上のテレコンフェレンス

http://www.teched.org/tgcccc/hccs/tak.jpg

注:遠隔教育の分野に偉大な Dr. Takeshi Utsumi の組織:Global Lecture Hall (since 1986) / Global University /Consortium for Affordable and Accessible Distance Education

http://www.friends-partners.org/utsumi/

米国テキサス州ヒューストン短大のデジタルビデオカメラで見たコンピュータ教室

http://tc1.hccs.cc.tx.us/hist/iia.htm

WebCT - WWWによる学習管理システム(カナダのブリティッシュ・コロンビア大学)

http://www.webct.com

WebCT 日本語版

http://webct.media.nagoya-u.ac.jp/

ディスタンス・ラーニング・センター

http://www.distance-learning.org/japanese/dlc-j.html

Globewide Network Academy - 遠隔コースを見つける為の検索できるデータベース

http://www.gnacademy.org/

WWWインターフェイスのあるMOO (ムーというリアル・タイム・チャット・ルーム)

http://DaMOO.csun.edu:8888/

telnet で入った "Steve" の作ったムー・ルーム

telnet://DaMOO.csun.edu:7777

Teaching in the Community Colleges Online Conference インターネット上の学会

http://leahi.kcc.hawaii.edu/org/tcon98/greet.html

ダウンロードになる12 MBのMPEGによる圧縮したムービー:

http://lehua.kcc.hawaii.edu/w33.mpg

ストリーミング・オーディオ、ビデオのチャンネル:

http://www.broadcast.com

http://www.real.com(Real Player のプログラムが無料でダウンロードもできます)

ウェッブ・サーフィンをしながら、Real Player で、音楽やラジオがずっと聞こえます

遠隔教育関係のおすすめのメーリングリスト:

DEOS-L - The Distance Education Online Symposium

ペンシルバニア州立大学に拠点されています

listserv@lists.psu.edu  へ

subscribe deos-l [ASCII による自分の名前]

というメッセージを送信します。返事が来たら、

set deos-l mail digest

というメッセージを送信したら、一日一回のみ、前日の全てが一つのメッセージで受信されます。

World Association for Online Education (WAOE) のメーリングリスト

imailsrv@list.waoe.org へ

subscribe views your_first_name last_name

というメッセージを送信するだけでいいです。

あるいは、以下のアーカイブ・メニューのウェッブ・ページにブックマークを付けます:

http://www.eGroups.com/group/waoe-views

連絡の情報

自宅:〒 769-0101 香川県綾歌郡国分寺町新居 3717-33

スティーブ・マッカーティ

TEL/FAX: (087) 874-7980; TEL (087) 749-8041 (研究室)

E-mail:<mccarty@mail.goo.ne.jp>

ホームページ(日本語・英語):

<http://www.waoe.org/steve/j.html>

電子図書館:

<http://www.waoe.org/steve/jpublist.html>

Updated on 3 December 2001