『バイリンガルの世界』ホームページ

日本における和英バイリンガリズムに関する研究論文集の紹介

『バイリンガルの世界』 山本雅代編 (四六判 xiii+222ページ 本体価格2000円 大修館書店)

 日英両語の習得・教育にかかわるさまざまな工夫と日本の英語教育への提言。

 著者は8人の在日アメリカ人。

Introducing a collection of research papers in Japanese on bilingualism in Japan, between Japanese and English, involving children and adults, investigating the bilingual development of native speakers of Japanese as well as of English. This context is assumed in the titles of the book and of its research papers.

Parts of this page are in Japanese. English translations follow the Japanese below.


『バイリンガルの世界』[The World of the Bilingual]

大修館書店 [Published in Tokyo by Taishukan Shoten]

編者 (Editor):山本雅代(桃山学院大学教授)[Yamamoto Masayo]

執筆者 (Contributors):

マーティン・ポーリー(筑波技術短期大学助教授)[Martin E. Pauly]

山根キャサリン(英知大学教授)[Kathleen Yamane]

野口メアリー・ゲイブル(立命館大学助教授)Mary Goebel Noguchi]

鎌田ローレル・ダイアン(弘前大学助教授)[Laurel Diane Kamada]

ジェームズ・スワン(奈良大学助教授)[James Swan]

スティーブ・マッカーティ(香川短期大学教授) [Steve McCarty]

アニタ・リーツ倉重(UCLA Extension, Lecturer)[Anita Reetz-Kurashige]

マイケル・ボストウィック(加藤学園 Immersion Program Director)[Michael Bostwick]


出版社 (Publisher):大修館書店 (Taishukan Shoten)

初版発行 (Publication Date):平成11年3月10日 (10 March 1999)

定価 (Price):本体 2,000円+税=¥2,100 (including tax: 2,100 yen)

240頁 (240 pp.). ISBN 4-469-24440-6

当論文集の注文は、大修館書店へ、お願します

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〒 101-8466 東京都千代田区神田錦町 3-24

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TEL 03-3295-6231 (販売部 sales), 03-3295-6231 (編集部 editorial)

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「まえがき」より

 「本書は3つの大きなテーマから構成されています。

 まず最初のテーマは、国際結婚家庭の子どもの英語による読み書き能力の習得です。体系的な英語の学習を提供する私的な「学校」、サタデースクールを立ちあげた親たちの奮闘ぶりを、ポーリと山根が紹介しています。続いて、野口が、家庭で子どもに英語の読み方を教えようとする時、何が成功要因として働くのかを探るために、親を対象として実施したアンケートの結果を報告しています。次に鎌田が、どのくらい早くから読む能力を発達させることができるのか、発話前の幼児に英語の読み方を教えるドーマン法を用いて行なった実験の詳細を報告しています。このテーマの最後として、スワンが、2つの言語との接触の仕方をはじめ、様々な面で異なる生育環境を持った姉弟二人の、英語の読み書き能力の発達過程における相違点と共通点を考察しています。

 2つ目のテーマは英語と日本語の成人バイリンガルにおける2言語/2文化併用の影響で、アンケートの結果をもとに、2言語/2文化併用が個人の言語使用、思考過程、価値観、あるいは文化帰属性にどのような影響を及ぼしているかを、マッカーティが考察しています。回答者の生の声も併せ紹介されています。

 最後のテーマは日本語を母語とする子どもの英語習得と喪失です。リーツ倉重が、英語圏から帰国した子どもの、帰国後2ー3年に起こる英語の変化と喪失を分析しています。そして、日本で最初の本格的な英語のイマージョン教育実践校のプログラム・ディレクターであるボストウィックが、プログラム初年度の成果を詳細に分析、報告しています。またプログラムを開始したいと考えている人へのアドバイスも行なっています。」 山本雅代

This book brings together three main themes. First is the acquisition of English literacy among children in international families. Pauly and Yamane recount the struggle to set up their own Saturday School to provide systematic study of English. Next, Noguchi reports on the results of a survey to find out what works when parents embark upon teaching English reading to their children at home. Then Kamada details an attempt to find out how early a child can develop reading ability, by utilizing the Doman method to teach English reading before the infant started to speak. Finally Swan, touching upon ways of exposing children to two languages, examines the differences and similarities in development of English reading ability where a son and daughter grew up in differing environments.

The second theme is the effects of becoming bilingual and bicultural when adults become bilingual in Japanese and English. Presenting survey results, McCarty examines the influence on language use, thought processes, values and cultural identity when individuals combine two languages and cultures. Voices of the respondents can be heard directly in the quotations compiled.

The last theme is the acquisition and attrition of English among children whose native language is Japanese. Reetz-Kurashige analyzes how the acquired English is changed or lost two to three years after children return from residing in an English-speaking country. Lastly Bostwick, director of the first full-scale English immersion program implemented in a Japanese school, reports on the results of the first year. He also offers advice to those who would consider establishing such a program.


論文のタイトル/英訳・著者・内容

●「サタデースクールの運営 - 手を組んだ親たちの試み」[pp. 3-32] マーティン・ポーリー/山根キャサリン

"Operation of a Saturday School - Parents join forces for an experiment" by Martin E. Pauly and Kathleen Yamane

 プレイグループを発展させて「学習塾」を作った親たちの報告2例。

 教師や教材さがしの苦労、会場や謝礼の設定、スケジュール、学校の宿題との関係など、管理と運営の実際が具体的に語られている。クラスを楽しみにする子どもたちの様子が生き生きと描かれている。

●「家庭での読字指導は可能か - 22家庭に見る成果の要因」[pp. 33-63] 野口メアリー・ゲイブル

"Is it possible to teach reading at home? - Factors affecting results in 22 families" by Mary Goebel Noguchi

 子どもに家庭で英語の読み方を学習させている在日外国人家族の調査報告。

 両親の母語と日本語能力、兄姉の英語能力、英語圏での生活経験は子どもの読む能力にどのように関係しているか、レッスンの頻度と形態、教材と指導の方法、学校との関わり、問題点は何か、などをアンケートを通して考える。

●「話はじめる前の読字学習 - 最初の200語」[pp. 64-99] 鎌田ローレル・ダイアン

"Learning to read before speaking - the first 200 words" by Laurel Diane Kamada

 カードを見せて指導するドーマン法を利用した乳児への英語指導の報告。

 ドーマン法の概要紹介と、学習スケジュール、単語カード・句本の作り方などを具体的に説明する。身体部位、動物、食べ物、動作、家庭用品など、カードで与えた単語が分野別に200語リストアップされている。

●「子どもの読む能力の発達過程 - バイリンガル姉弟の相違点と共通点」[pp. 100-132] ジェームズ・スワン

"Development of reading ability - differences and similarities between a bilingual son and daughter" by James Swan

 二人の子どもの英語を読む能力の獲得過程とそこから得られた教育に当たっての提言。同居家族の形態、子どもとつきあう親の時間的ゆとりなど、生育環境のまるで異なる姉弟であったが、ともに母語としてのバイリンガル能力を獲得した。学習過程はかなり異なっていたが、「読むことで読みを学ぶ」という類似点の重要性を訴える。

●「2言語・2文化併用の意義 - 成人バイリンガルの自己観察」[pp. 133-159] スティーブ・マッカーティ

"What it means to combine two languages and cultures - Self-observations of bilingual adults" by Steve McCarty

 バイリンガルになることで、どのような変化があるか。第二言語は、文化的アイデンティティ、思考過程、価値観、行動にどのように影響するか。アンケートに見る成人バイリンガルの姿。回答者は、日本語を母語とする122人と英語を母語とする73人。興味深いことに、回答の仕方そのものにも第二言語の影響が見られる。

●「帰国子女は英語を保存しているか」[pp. 160-180] アニタ・リーツ倉重

"Is the English of returnees maintained? by Anita Reetz-Kurashige

 日本人帰国子女の英語の能力の保持と喪失を18か月にわたり追跡調査する。英語能力保持の条件は何か--年齢、海外での教育期間、帰国時の能力、がどの程度なら英語能力が保たれるか。英語能力の変容は、文法、語法面のどのようなところにあらわれるか。

●「日本におけるイマージョン教育」[pp. 181-218] マイケル・ボストウィック

"Immersion education in Japan" by Michael Bostwick

 イマージョン教育の概要と日本で初めての実施例となった加藤学園の授業を紹介する。そしてイマージョン教育実施に当たっての、法的制約、教師の条件、準備期間、その他の検討事項など、今後導入しようとする読者への注意点・問題点を具体的に指摘する。


LINKS

大修館書店インターネットホームページ

国際結婚を考える会  

Bilingualism in Japan (日本におけるバイリンガリズム) 全国語学教育学会バイリンガリズム研究部会の英和ホームページ

Japan Journal of Multilingualism and Multiculturalism - 多言語多文化研究 (上記のリンク)

バイリンガリズムと日本学 (日本語バジョン) ー「アジア学にとても役立つ」と Asian Studies WWW Virtual Library に評価されました


Yamamoto, M. (Ed.) (1999). Bairingaru no Sekai [The World of the Bilingual]. Tokyo: Taishukan Shoten.

本のホームページ (URL of the Web page for this book):

http://www.waoe.org/steve/bairingaru.html

ホームページの作成者・英訳:スティーブ・マッカーティ

English translations and Web page by Steve McCarty


Updated on 27 October 2016

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